親指の夢
夢は時々、冗談のような象徴の現れ方をします。友人でもある若い女性があるとき、変な夢を見たのですが、と私に言ってきました。「足の親指がとれちゃったんで、あわてて自分でくっつけたら、ちゃんとくっついた」という夢でした。私も始めはなんだろう、、と思っていました。指は家族を表すことが多いので、私は、「最近親と何かあった?」と聞いてみました。「もしかしたら、親に対する考え方の変化みたいなことがあるかもしれないね。」というと彼女は、突然涙を見せたのです。彼女は、もともと親とひどく仲が悪くここ数年、筆談でしかコミュニケートしていなかったそうです。でも、最近、彼女が一人暮らしを始めてから今までの親に対する気持ちが変わってきたということでした。親指が離れたのは、彼女が親から離れたことを意味しているようでした。そして夢の中で彼女が必死で親指をくっつけています。それが彼女の現在の気持ちの表れなのでしょう。彼女にとって親は必要な存在であるという認識を夢で確認したのだと思います。そして無事、親指がくっついたのですから、親と気持ちの上でもつながったということです。「いい夢ですよ、よかったね。」というと彼女は感慨深げに微笑んでいました。
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